法・法律のデータベース…を目指して 

外国で犯罪を犯し裁判を受けても、同じ犯罪で日本でも裁判にかけられる

刑法2条・3 条で国外犯を刑法の対象にしているとはいえ、普通は犯罪が起きた国にも法律があり、国内で発生した犯罪を対象とした法律があるわけです。で、犯罪を犯した 人は現地で裁判を受けることが多い。しかし、それで日本の裁判権が消えてしまうのでは不都合が生じるので、刑法5条で『外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為においてさらに罰することを妨げない。』としています。現地で『死刑』になってしまえばそれまでですが、生きて日本に帰ってきた場合は、もう一度、日本の裁判にかけられるのです。

たとえば、『日本赤軍 のメンバーの一人が外国で無期懲役の判決が確定しています。日本が身柄を引き渡すように要求したのも、『刑法5条』を前提としたものです。他国の空港で大量殺人という大きな犯罪を犯している以上、日本当局が自らの手で処罰しようと考えたのです。

ただし、日本で新たに判決が下される場合、外国での判決を全く無視するのではなく、『刑の執行を減軽し、又は免除』することになっています。

たとえば、外国で懲役10年の判決を受けたものが、その刑期を終え帰国して、日本でも同じく懲役10年の判決を受けても、再び収監されることはないと思います。つまり、有罪判決を下した上で、そのを免除するのです。

コメント

コメントを受け付けておりません。