以前、《通貨偽造罪》を取り上げました。他にも有価証券偽造罪・印章偽造罪など、いくつかあります。これらの偽造罪は社会的信用に対する罪とされています。またこれらの偽証罪の成立には、本物として使おうという目的が必要です。今回はその中から《文章偽造罪》について、書きたいと思います。
例えば、AがBの名前を使って勝手に領収書を書いたらどうなるでしょう。
権限のないものが勝手に他の人の名前を使って文章を作ることを文章偽造といい、公務員が職務上すべき文章(免許証・住民票など)を偽造した時は公文書偽造罪。公職を離れた個人の文章は私文書偽造になります。文章偽造罪が守ろうとしているものは社会的信頼です。文章に書いてある名前と書いた者の名前が同じであることを保護しているのです。
では、前途の場合、Aが書いた嘘の領収書の場合はどうでしょうか。そもそもこのように内容に偽りの文章を作ることを虚偽文書作成といいますが、公務員が職務上すべき文章を作成した場合は虚偽文書作成罪になりますが、普通の人が作成しても罪にはなりません。上京してきて、親に宛てた手紙に《高い給料を貰っています。》って書いただけで犯罪になるのは厳しいものがあるでしょう。
ただ、例外もあります。医師が公務所に提出する書類を偽ると虚偽診断書等作成罪になります。
※参考条文—刑法148条 ・ 刑法150条