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 あなたが、ある骨董屋に行ったとします。その時、とても気に入った壷がありました。しかし、あなたはその壷を買えるだけのお金を所持していませんでした。そこで、手持ちのお金を手付金として支払い、残りは明日必ず持ってくるから、絶対に売らないでくれと頼み、店を出ました。

 次の日、残りのお金を持って骨董屋に行きましたが、その壷はありません。店員に尋ねると、あの後、同じ壷を気に入って金額も2倍払うから売ってくれ、と言うので、売ってしまったようです。そして、預かっていたお金は2倍にして返すと言っています。さて、あなたはどうしますか?

少々長い前置きになってしまいましたが…この骨董屋に法的な責任があるのでしょうか?

民法557条では、《売主は手付金の倍額を買主に支払えば、その売買契約を解除しても良い》と規定しています。従って、骨董屋が言う通り、手付金を2倍に返してしまえば何の責任も負いません。
※他方、あなたが欲しくなくなった時は、その手付金を放棄すれば解除できます。

このような手付金のことを『解除手付』と言います。手付というのは通常、解除手付です。そうなると、手付を支払っても品を手に入れることができない(又は、売れない)と言うことになります。では、確実に手に入れるにはどうすれば良いか。

その場合は解除手付の交付ではなく、売買代金の『内金払い』としておきます。要するに、売買契約が解除されるのを封殺してしまうのです。手付も内金も、価格の一部となるのは同じですが、解除手付金交付は、売る側・買う側の双方に約束を解除する権利を与えているのに対して内金払いの方は、この解除権がなく、必ず実行しなくてはいけません。

もしも、約束を守らなかった場合は、当然損害賠償責任が生じます。たかが言葉ですが、気を付けないと大変なことになるかも知れません。確認は怠らずにっ

  ※参考条文—民法557条

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